連載:日々のこと

自然の中に身を置くということ

「自然」という言葉について、特に深くを考えたことはなかった。
単純に、街なかよりは少しでも街より離れた地域の、山や森、海や川の傍が自分にとって心地よいということは感じてはいても。

今回、1ヵ月間を千絵子さんの里山の家で過ごしたことは、私の中の何かが覚醒したことを感じている。人は元々「自然」なのだ。もしかしたら今では「自然だった」と言うべきかもしれない。自分を含めて、現代を生きる人は、自然であるべき、もしくは自然であった自分が、今はそこから離れてしまっていることに気づく前に、人の知識や力で作られた文化、便利で快適な事や物に囲まれて生きている。

多分、重