篠笛が誘う望郷梅雨の闇 大山夏子
灯してはひとりぞ良けれ冷し酒 田原陽一
しみじみと碧いカクテルチェリーを摘まむ アロマ
吾は薬湯夫には越の冷し酒 玉置かよ子
人生に凪のひととき冷し酒 夏生一暁
冷し酒瀞の青さを掬ひあげ 藤原明美
冷酒や作務衣の紺のよく似合ひ 井上比呂夫
冷し酒波なく海の昏れゆけり 本多俊子
冷酒や店主無愛想店多忙 山口和生
酒屋にコップ酒あおる人を見て アロマ
冷し酒海鳴に夜の近さあり 益本三知子
たそがれのグラスの曇る冷し酒 梅村すみを