インドラネット 桐野夏生

この人の作品を読むときは 覚悟をしないといけない。

現代の闇を、向き合いたくない現実を 否応なく突きつけられるから。

一流とは言えない大学を出て、契約社員として働いている男が、会社の女性従業員からセクハラを言い立てられ、女性上司からその事実の有無の照会メールが来る。このままでは契約も打ち切られるし、働く意欲もなくなっているので、自分から退社を申し出て、あっさりと承諾されてしまう。

こんな男が高校時代の親友の父親が亡くなったことを知り、葬儀に参列する。ここで知らない男からこの父親の、カンボジアで消息を絶ったという息子探しを持ち掛けられる。

日本にい