連載:花仕事

幽霊になった蛍袋




土曜日、1日かけて小さな花壇の整理をした。

花の終わる頃にはいつも迷う。切ろうか切るまいか。チューリップの時もそうだった。

「チューリップは花が咲いたら切り取って、花瓶に入れて楽しんでください。そうすれば球根が大きくなって、来年立派な花が咲きます」

園芸の本にはたいがいそう書いてある。

でも私は花の盛りの時に摘んだりできない。
やはり野におけすみれそう、と誰かが言ったように、どの花も地面から生え出ている時が一番素晴らしいと思うから。

今、躑躅がいっぱい咲いているが、毎日花がら摘みをしている。花がら摘みは苦手。この作業を苦労と思わず嬉々と