一粒のソーダ水に浮くサクランボ



 城はるかさざ波街道青田風  丸山佳子
 
 青田風童のこゑをのせてくる  邑橋節夫

 鷺を容れ青田大きく波うてり  加藤克

 遠景に日光連山青田波  北村香朗

 梅雨さなか青田の畔に山百合が  アロマ

 青田過ぐる風の行方を見失ふ  松岡和子

 さはさはと風紋見する青田かな  森清堯

 ゆつくりと雲の影ゆく青田かな  國保八江

 浮雲や青田のにほふ東雲に  ことり

 日暮れつつ色を加ふる青田かな  谷合青洋

 わが頬を青田風打ちいま故郷  渡邉英子

 窓開けてバスのふくらむ青田風  柴田久子

 青田風胸