カタカタカタ…
足踏みミシンの音を聞きながら私は育った
母の足元に落ちている布の切れ端を拾い集めながら
「お母さん!これもらって良い?」とおねだり
小さくて形も色もバラバラのハギレは、色紙とはまた違った魅力があって並べているだけでも心が弾んだ
ある時、母が「縫ってみる?」と針と糸を差し出した
母に教えられながら、上、下、上…と針を刺していく
平面から立体へ
薄っぺらな布がどんどん形を変えていく
記念すべき縫い物第1号は、縫い目も滅茶苦茶で何やらわけの分からない物体だったけど…
それでも、5歳の私には大事な宝物となった
小学校へ上がった頃には、新