蕎麦処瀬音優しく流れゆく  



 大原や鳴子こだますよき日和  高橋淡路女 梶の葉

 十五夜にこだましてゐる町の鍛冶  阿部みどり女 『微風』

 水こだま走りて釣瓶落しかな  長谷川双魚

 登山してヤッホーとこだます谷向い  アロマ

 残雪に少年が打つ斧こだま  中村里子

 熊まつりはじまる法螺のこだまかな  栗原愛子

 簗なほす青水無月の夕こだま  橋本榮治 逆旅

 籾摺の音こだまして夜に入る  相良 九馬

 谷こだましてまんさくの日和かな  小島健 木の実

 落石のこだま還らず去年今年  ほんだゆき

 落葉松に焚火こだます春の夕  前田普羅 春寒浅間山