誕生日の呪いをひとり旅で断ち切る・前編

子どもの頃、私にとっての誕生日は、何ら特別なものではなく、ごく普通の昨日と同じ一日だった
大好物のご馳走が登場するでもなく、ケーキのロウソクに願いを込めてフーッと…なんていうものもなく、プレゼンをもらって狂喜乱舞、もなかった

友達のお誕生会に呼ばれて出かける時、他の子達は、玩具屋さんや文具店で買った、いかにも子どもがもらって喜びそうなプレゼントを用意して出かけたものだが
私の母は、我が子に買い与える玩具にも確固たる教育方針を持っており、例えそれが友達の誕生会という場であったとしても、主義が揺らぐことはなかった

「お母さん、○〇ちゃんのお誕