新米炊き上がり魚の煮付けかな



 新米に一升枡の罷り出る  渡辺ユキ子

 新米に月満ちてゐる大和かな  大峯あきら

 帰省せし顔新米の湯気の中  井沢正江

 手を置けば新米ひたと手を圧す  原田喬

 み吉野へ馬拵へや今年米  阿波野青畝

 しやもじざわり上々新米炊き上る  野村親二

 つみあげし新米俵夜も匂ふ  井桁蒼水

 茶わんに新米ほくほく煌めいて  アロマ

 新米と貼りある店の今日休み  坊城中子

 新米や国太平に父母は無事  飯原翠竹

 新米や土佐はよい国二番稲  浜田波静

 早立ちの子に新米を握りけり