末枯の景色艶めき暮れ泥む



 末枯るる大地のいろに馴染みつつ  塩村瑞子

 名園の末枯といふ気品あり  松山牧子

 末枯や吹き消すやうに日の翳り  岡本眸

 おほどかに利根の河口や末枯るる  高橋あさの

 末枯の景色心地よく野に時雨  アロマ

 鮎雑炊すすり末枯れ初めにけり  重見久子

 みちばたのどの草となく末枯て 根橋宏次

 末枯るる野に少年の口笛が  山本漾子

 末枯の色なき色を深めゆく  今橋眞理子

 末枯の風景まさに入り日して  アロマ

 里山の足音さへも末枯れて  山田天

 末枯の野のはじまり