秋から冬へと

かえでは恥じらうように頬を染め、名前をもみじと変える。
こんなにも、季節の移ろいを如実に感じられる国は他にないかもしれない。
日本の文化は四季の移り変わりを礎に築かれと言っても過言ではない。

四季のそれぞれをさらに6分割して二十四節季という分け方がある。
二十四節季とは古代中国で作られた暦で、日本では平安時代から使われている。
ちょうどこの時期は、秋の最後の節季「霜降」にあたる。
二十四節季のそれぞれをさらに3分割した七十二候というのも作られている。
もともと、季節の変化をきめ細かくとらえて農事に生かしたのであるが、こうして季節の移ろい