公園散歩 —落葉と永田・河野夫妻追想ー

「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうにわたしを攫って行っては呉れぬか」(河野裕子)

散歩のコースにある近所の公園に立ち寄った。今年の春は公園を取り巻くようにある桜の花が開く頃になると、幼稚園だか保育園だかの子供たちが歓声を上げながら飛び回っている。桜の花が終わると緑の葉が空を覆うように日陰を作る。夏もまた子供たちの甲高い声が飛び回る動きを追いかけるように聞こえる。
うすら寒い灰色の空の下には子供たちの声は聞こえない。風雨にさらされ背もたれの一部が腐りかけて、まだ湿気を含んでいるようなベンチに一人、私と同年輩の白髪の男性がまっすぐ前を向いてタバコを