親子旅別府にて締めの河豚雑炊



 蔵の戸を力まかせに開けて冬 木下仁司

 雲間よりひかり縞なす冬ざれて 成田美代

 冬ざれや休耕田の草そよぎ  堺昌子

 一点景冬ざれの田に鷺立てり 西川保子

 冬ざれの見渡す畝の模様かな 西計郎

 イルミネーション冬ざれの街輝かす 中村悦子

 熱燗の喉鳴るほどの旨さかな 渡辺安酔

 赤貝のひもで熱燗外は雨 丸山酔宵子

 熱燗に烏賊刺食うておはせしか 朝妻力

 熱燗や傘寿の爺の打ちし蕎麦 於久昭臣

 熱燗を何をおいても所望せり 須佐薫子

 古稀過ぎて華やぐマフラー巻きにけり  中山