【緩やかな時の流れ】



   「枯れ色の野にて」

                2015年9月30日

 枯れ色の野を行けば
 小鳥あちこちに

 日差し明るく 柔らかく
 木の実赤々野辺照らす

 草地の日だまりに座れば
 温みほんわり私を包む

 秋の野の香り
 空の澄んだ蒼
 風の透き通る色

 蜻蛉が飛んできた
 赤い色した一匹が
 少し高い位置をゆったりと

 茸のおこわのお弁当
 ほうじ茶の香ばしさも格別
 携えてきた文庫本はワーズワース

 詩の一編を読んで
 目を上げると
 近くをツツッと行く小