寒中悲話


 『 ・・・・・・「蛍の光」のメロディがムラの新地の幾分高い所にある学校から流れ、ムラをくまなくわたりきって広い平野に漂う頃、既に雪は毎年遅くまで残る高い屋根のお寺の裏庭にしかなく、大人たちはもうみんな春田を打ちに出かけているのでした。』

 この文章は私の雑文が初めて活字になった最終部分のもの。
日記でも何度か記したけれど、書き留めた~幼い頃の雪にまつわる思い出~を飲み仲間とともに発刊したタウン同人誌に(三十代の始め頃)掲載してもらったのだった。
 古希を越えた今になって、昭和の三十年代を思い出して記せよ、と言われてもとても出来ないけれど、