早春の所々に夢置き忘れ



 玻璃皿に熟柿の照りや夜の炬燵  遠藤 はつ

 菊の宿夜は炬燵のあたたかく  木村蕪城
 
 青すぐり浅間くもれば炬燵して  山田孝子

 掘り炬燵懐かし記憶幼き日  アロマ

 鶯や明けはなれたる海の色  中川宋淵

 鶯や慈姑煮上る薄萌黄  小澤碧童

 鶯や駕籠にのりたる那智詣  楠目橙黄子 橙圃

 雨降って鶯の鳴く一日かな  アロマ

 はるかにも鶯啼きぬ野に立てば  原石鼎

 六月の藪鶯や光悦寺  岸風三楼 往来

 鶯を郷里の家に聞く日々よ  アロマ

 子の画きし一灯探す万灯会