連載:おふざけナンセンス

腹の底にある魂胆



とある首相が経済界のリーダー達を集めて一席ぶった。

「新しい資本主義の実現にご協力を頂きたい。何より大事なことは中間層の購買力を大きくすることだと考えている。そのためには・・・」
と言ったところで経営者達を睨みつけ、眼光鋭く、ひと際語気を強めて続けた。
「そのためには、物価上昇を遥かに超える賃上げが必要だ。各社の内部留保を全部吐き出す覚悟で賃金を上げてもらいたい。」

経営者たちはざわついたが、総理がそこまで言うならとしぶしぶ賃上げを実施した。


「おい!官房長官。」
「なんですか、総理?」
「この春の賃上げはどうなった