わたしの満州脱出記    稲毛 幸子

戦争に負けて 満州から引き揚げた女性が 自身の体験を語る。

ソ連国境に近い北安という町で平和に暮らしていた。夫は満州の林業公社で働いていた。

敗戦の前に ソ連がいきなり参戦し、ロシア兵が町に侵攻してくる。彼らはニ三人で家に上がり込み いきなり発砲する。無抵抗の住人は彼らの略奪、乱暴になすがままになる。

若い女性は必ず連れ去られる。そのまま帰ってこないのがほとんど。家の中で強姦されたりもする。

恐怖に怯える日々のうち、やっと新京まで引き揚げることができるが、列車の中は立っているのがやっとの混み具合で、おまけに満州人達の略奪で殆ど着の