バス路線何時もの通り夕焼て



 クレソンと夕焼け摘んだはずなのに  田村みどり

 大夕焼犬も正座の姿勢にて  泉田秋硯

 夕焼の変幻見つつ着陸す  稲畑汀子

 大夕焼あの世が透ける岬かな  関口ゆき

 美術展夕焼小焼の帰り道  藤井美代子

 公園の夕焼け辺り真っ赤っか  アロマ

 迷ひ子となり夕焼けに紛れ込む  松田都青

 冥府いま親しき距離よ夕焼雲  山元志津香

 大夕焼わが少女期にハイジあり  井口初江

 二階より礼拝堂の壁夕焼けて  アロマ

 濃夕焼まだ働いて影二つ  湯浅夏以

 夕焼けて八ヶ岳連山の影の