春の雪宵の蒼さに浮き立って



 野に畑に人の動ける芽立時  青木政江

 花霞森の奥より白馬来る 小澤克己

 雲速しメタセコイアの木の芽時  森一枝

 木の芽時辺り早緑吹き出して  アロマ

 蒼穹の熱帯びてくる木の芽時 林昭太郎

 木の芽時町屋カフェの町屋蕎麦  たかはしすなお

 追ひ焚きの昼の湯の音木の芽時  甲州千草

 夕暮の風の濃くなる木の芽どき  佐藤よしい

 古郷や餅につき込む春の雪    一茶

 踏みしめる砂丘の鼓動春の雪 大山里

 春の雪弥生の末にしっかりと  アロマ

 春の雪二日続けてこんもりと