『ワタツミの花』

春になって、何となく、人を愛したくなることってありますか?
それ、多分、南の海の底に根を張ったワタツミの木に赤い花が咲き、海面に浮いた花びらが風で舞い上がり、甘い花粉が飛んでくるからです。

気立ての優しいワタツミは、愛する人の航海を助けるため、冷たい海の底に立ち、長い間、ただひたすら海が荒れないよう祈り続けました。
そして、細い足は根となり、長い髪の毛は枝となり、やがて甘い香りの赤い花を咲かせました。
ワタツミは海を治める女神となったのです。

以上、日本神話に出てくるワタツミに、ぽっぽが勝手な解釈を加えました。
元ちとせの『ワダツミの