報告 2023年04月26日(水)02:05 会員以外にも公開 こらえてつかわそう… 将の将たる器命を賭す歴史の妙 「いよいよ戦か…」真田昌幸は虚空をにらみ、草履をもて、と一声いって虎口に向かった。虎口(城いちばんの出入口)こそ上田築城のさい、とりわけ昌幸が叡智をそそいだ場所であった。一望して昌幸は、一切を決めた。"景勝に会おう…"近侍のものに源二郎(幸村)を呼べ、と告げ瞑目した。やがて幸村があらわれた。「源二郎。ワシは上杉へいくぞ」「はっ」「おぬしといく」「こころえました。いま、したくを…」幸村が立ち去ろうとした、せつな、「おぬし、わかっておるのか?」「わ