連載:おとぼけナンセンス

朝の光が気づかせるもの



先日、彼女は引っ越しをした。
日の当たらない部屋に辟易し、ついに朝日が差し込む理想的な部屋に引っ越したのだ。

「うわ~、何て気持ちのいい朝だこと。」
東向きの大きな窓から差し込む朝日を体いっぱいに受けながら、彼女は大きく伸びをした。
「やっぱり人間はこうでなくっちゃ!」
現代社会の荒波にもまれてるうちに、気づかないままいつの間にか変温動物になってしまってたわけではないが、朝の光を体に浴びて、その温もりが「今日も一日、元気に頑張ろう」という気力を湧き上がらせる感じに興奮していた。

そんな彼女が、ふと足元に目をやると、床の上にたく