最近の「死生学」は死者との絆を大切にする。

死生学というのは人間の消滅、死について研究する学問である。

死生学の開拓者の一人、フランスのアリエス(1914~1984年)によれば、「人間は死者を埋葬する唯一の動物」である。この埋葬儀礼はネアンデルタール人にまでさかのぼり、それ以来長い歴史の流れの中で人類は「死に対する態度=死生観」を養ってきた。死生学はこのような死生観を哲学・医学・心理学・民俗学・文化人類学・宗教・芸術などの研究を通して、人間知性に関するあらゆる側面から解き明かし、「死への準備教育」を目的とする極めて学際的な学問である。死生学は尊厳死問題や医療告知、緩和医療などを背景に、197