毎年春になると、お寺さんのある村の外れの道に、五色の吹き流しが揺れていました。
青空と緑の風の中に幡は大きくはためいて、子ども心に何か良い事がありそうな思いになっていました。
その頃、赤胴鈴之助や雷電、猿飛佐助など男の子の漫画が大人気でした。
村の子ども十数人はいつも会所に集まって遊んでいました。
会所には卓球台が置いてあって、みんなで試合をしたのです。
それに飽きると、近くの一級河川野洲川の右岸にある広い藪へ入って、木刀になるような木の小枝をとりました。
小刀で柄の部分を残して、木の皮を綺麗に剥きました。それで男