紫煙随想 ー 紫煙の間から覗いたウクライナ戦争 ー

「書を捨てよ、町に出よう」という評論集を寺山修司が出した。
「僕は速さにあこがれる。兎は好きだがカメは嫌いだ。」で始まるその本に「そうだ!そうだ!」と歓喜したのは純情無垢の紅顔の美青年時代。高度成長期の只中の半世紀以上前のことだった。その数年後、70年安保があり、町に出ていった。
綾小路きみまろではないが「あれから55年・・・」である。紅顔も厚顔となり美青年も既に死語。それでも10数年前に命を長らえさせてくれた名医との約束を違えることなく続けているのが散歩である。散歩を続けられる手段が本なのだ。
まあ、私の場合は本を読むのは散歩を続けるための手段な