ご褒美


 若い頃は、「時間」を味方につけて生きてきた。
 知識や技術など自分に未熟な部分があっても、これから頑張れば、成長すれば、将来きっと身に付けられるはずと信じて取り組んできた。
 また、なかなか手を出しにくい高価なものであっても、時間をかけて分割払いにする事で、欲しい時に自分のものにする事も出来た。

 自分の未来にあるはずの「時間」を、当たり前のように自分の味方につけてきたように思う。

 しかし、ある時にフッと気がつく。
 自分の未来の時間は無限なんかではなく、有限なものだったのだと。


 7年ほど前、当時中学の吹奏楽部だった