短冊を吊るした記憶ありやなし



 七夕や百姓の子と妻あそぶ  杉山岳陽 晩婚

 七夕や送られて来し金平糖  安藤和子

 七夕や少しいびつな星に住む  今村妙子

 煮干噛みしめて七夕迎へけり  原田喬

 七夕の商店街の飾り付け  アロマ

 長茄子の味七夕もちかきかな  久保田万太郎

 みどり児も彦星もいま洗ひたて  白澤良子

 貝化石展に七夕竹飾る 中戸川朝人  星辰

 鴨川のほとりの宿の星まつり  五十嵐播水

 七夕や父口ずさむ祖母の唄  星野立子

 どこまでも湖は平らに星の恋  長田等

 七夕や母に素直な中学