夏の思い出

夏休みに入ると私は新婚間も無い姉の家に遊びに行った。優しい姉は私を喜んで迎えてくれた。中学生になっていた私に義兄は数日のアルバイトを誘った。運転の助手で荷物の積み下ろしの手伝いをするのだ。暑い夏の日差しを受けて神戸市内をトラックで駆け巡る。日曜日でアルバイトのない日に義兄の妹の秋ちゃんが来た。まだ姉夫婦には子供ができていなかったのと姉の気遣いは遊びに来やすかったのだ。
秋ちゃんは同じ中学1年で背は私と同じくらいですらっとして澄んだ瞳の笑顔が可愛かった。
姉は昼食を済ませた私たちに須磨の海岸にでも二人行くようにと言った。
躊躇する私に「ケンちゃん行こ