夏の思い出




もはや思い出の集積の上の私であり、今後の新しい経験の可能性は日々の暮らしの中が大半となる。

そんな中で「夏の思い出」というお題が少し書く意欲を刺激してくれた。意欲全般衰弱する近頃として有り難い。

夏は海山甲乙付けがたい。
海の中から山を見る。
山の上から海を見る。

身体を焼く陽射しを浴びながら海に飛び込んだ冷たい快感は、煌めく水中の光と砂の模様に染められて今も心に刻印されている。大きな波の下に飛び込んだら爽快極まりなかった。勿論水中で目を開ける。上を見上げれば青空が映る。水面から西を見れば山々の緑が連なっている。