夏の風

もう何十年も前の事です。
夏休みもあと10日となり、宿題に慌て始めていた私は
一番の悩みのたねでもある、自由研究をどうしようかと思っていました。
何かないかしらと、自転車で外に出てみました。
坂道を下り、両足を宙に浮かせ、ちょっとしたスピードから感じる風を楽しんでいたら、私を呼ぶ声が後ろから聞こえ、振り向き際に対向車が来て、急にブレーキをかけたため前につんのめって、倒れてしまいました。「大丈夫?ごめんね、急に声かけて」クラスの友達でした。少し膝を擦りむいたものの、彼女の笑顔と申し訳無さそうな表情をみたら、逆に嬉しくて、「平気、平気!」と。
彼女