樵(きこり)刺し子半纏ー野良の芸術その8ー

この半纏刺し子、地のほかに別付で斜めにしてある。
此れなんだろーと思い、市の業者に聞くと、
庄内地方(山形)の木こりが、山で伐採した木材を、橇(そり)で里まで下す時、肩にその太紐を掛けるから、その部分を補強のため、この様に施してあるとのことだった。
なるほどなるほど、納得。珍しい。
この刺し子を見ると、冬の厳寒の山の中、厳しい労働のなか、愛情の温もりを感じる。

刺し子とは、布を補強する施し、類するものでのこぎんは、本来保温が目的としてことと承知していた。最も刺し子の一種とも。

刺し子は、古い大風呂敷、幟の裾の部分、風で揺れ動くなど、傷