久万のお茶碗

暑さが落ち着いて、やがて彼岸を迎える頃、芸術の秋でもある。

同郷でしかも少し遠縁ではあるが、
日本画家がいたことを
親戚の叔父から聞いた。

彼は京都絵画専門学校に学び、
高島屋の図案の仕事に就いていたが、やがて日本画家として
鎌倉に居を構えたという。

その話をそれとなく聞きながら、
私自身は陶芸を眺めるのが好きで、
日が過ぎた。

あるとき毎月、自宅に届く市報を
めくると、その日本画家、向井久万の事が、地元の芸術家として、紹介されていた。

その記事で、鎌倉では、気分転換も兼ねて、お茶碗も焼いて居たという。そこには