初物の鱧鮨囲み釣りばなし 　　竹内悦子

　ぼんぼりや愛ちりばめし散らし鮨 岸本幸

　寒鰤の鮨とびきりの口あたり 上原重一

　訪ふ里の鯖鮨旨し赤のまま　 宮崎左智子

　酢の利いた箱ずし美味し下宿先　　アロマ

　山越や薫風の中の目張鮨 中里カヨ

　鯵鮨の柚子一切れのかをりかな 　大栗須美子

　道の駅焙り過ぎなる秋刀魚鮨 堀志皋

　銀鱈の初の押鮨旅情湧く 三橋玲子

　雲丹イクラ数の子が好き握りネタ　　アロマ

　胸までの大船観音鯵の鮨 落合絹代

　一貫は舌にとろけて握り鮨 　　森田節子