バレッタは琥珀濃淡日に透けて



    「アロマの句」


 絨毯にレースの花柄明瞭
         立秋翌日昼寝覚めれば

 立秋に豆腐の味の引き立って

 バーゲンと幟はためく商店街

 小芋の味噌汁秋の味深め 

 かき氷硝子器より滴る露 

 ソーダ水グラスに露の滴って

 碧い滴り夜明けの木々の枝  

 トマト食む果汁滴り皿の上  

 朱い傘ロウケツ染めに雨滴

 見上げれば碧滴る山寺よ  

 汗滴って夏の午後にキャミソール

 アンモナイト石割れば化石パックリと

 庭の木々夜気滴って星蒼く