大賀蓮古代の眠りより目覚め



 忘れものしたやうな日々夏終はる 須賀敏子

 レンタカー三百キロの夏終る 冨永道子

 何時までも終わらぬ暑さ夏続く  アロマ

 夏終わる青春切符の旅三日  松浦光子

 夕星や家居暮しの夏終る 江森悦子

 夏薊雲の中より切りて来し  神蔵器

 山荘の近く夏薊群れ咲いて  アロマ

 山容を水面に映し夏薊 橋本良子

 野の雨は音なく至る夏薊 稲畑汀子

 谷間の風の匂ひや夏薊 今村能子

 高原の轍の道の夏薊 稲田延子

 夏薊紫冴えて青い空  アロマ

 放牧の大地のうねり夏薊 柴田佐知