秋を生きる

9月のうちは、遠慮勝ちに秋は顔をのぞかせる程度であった。
10月に入って、夏のかけらは残っているものの、、朝夕はわがもの顔である。
風の中に、揺れる秋桜に、虫たちのオーケストラに。
黄昏は美しく、少しもの悲しい。

人生は、よく一年に喩えられる。
正月が誕生で、春が思春期、夏が壮年期でそして秋、一年の終わりも見えてくる。
エネルギッシュで充実した生産力のあとのそのフィナーレを呈する秋、秋はちょうど我々の年代に符合するといえる。
広葉樹は役割を終え、紅く染まり、来たる冬への準備をする。
一年の終わり12月の近い。
人生は終盤を迎え、黄昏