新米を炊く水加減やや控え



 黒米の新米の粥朝の膳 松崎鉄之介

 今年米掌にして暖かし 渡辺よし生

 磨げばたちまち音に出て今年米  鷹羽狩行

 今年米たしかな杓文字触りかな  能村登四郎

 遠き子に新米送るいわし雲  岸のふ

 新米の赤飯蒸す誕生日 白鳥婦じゑ

 新米を炊く水加減やや控え  アロマ

 海の香の魚を燒いて今年米  稲辺美津

 新米の水晶となり炊き上がる 千田敬

 新米の新海苔に足る握り飯  大橋敦子

 かたちよき俵となりぬ今年米 阿部ひろし

 つやつやと掬へばこぼる今年米  八木愁一郎