木の葉髪

髪がすっかり頼りなくなった。
顔を洗うとき、化粧をするとき、頼りなくなった髪を束ねながら、ふと寂しい気持ちに襲われることがある。
そして、「髪は女の命」とも言われることが実感として理解できるようにもなった。

たとえば、お茶の注ぎ方に「鼠尾馬尾(そびばび)」という言葉がある。初めは鼠の尾のように細く注ぎながら、次第に馬の尾のように太く注ぐという意味の言葉。

髪を束ねたときの感触を例えて言うならば、若い頃ならしっかり太さもあって「馬尾」のようでもあったのに較べ、今はまるで頼りない「鼠尾」のようだと感じてしまい、そんな言葉が脳裏を過った。