五木寛之著『旅の終りに』は、「君はどうして耐えて走るのか」

津上卓也が彼女を買っているのは、沢今日子の人柄が好きだったのだ。彼女は一見、乱暴なようでいて、人の心の機微をちゃんとこころえているとことがあった。陽の当たらない場所にいる人間たちに対しても常に自然な思いやりを忘れない性格なのだ。彼女が担当している歌い手たちとは本音で喧嘩もするかわりに、仲間のように信頼されているらしい。「演歌、歌謡曲部門を廃止するというのは、わが社にとっては大問題じゃないか」第三制作室は、演歌を中心とする一般歌謡曲が専門だった。60年代後半に巻きおこった演歌ブームの時代。シングル盤のミリオンセラーが続出した第二期演歌の復活期。現在では、売