冬夕焼ビルの谷間に見上げつつ



 旅ごころ勾玉色に神の留守   阪倉孝子

 パソコンに未知なる機能神の留守 栗原公子

 深呼吸は一日一善神無月 丸山佳子

 神の留守娘は友と出雲へと  アロマ

 神無月神の集る方へ旅 稲畑汀子

 なみなみと蕎麦湯を注ぐ神無月  岩木茂

 境内に骨董市や神無月 川上恵子

 澄み渡る風の中にも神無月  秋川泉

 竜宮の使ひ揚がりぬ神無月  小林愛子

 辛口の地酒に集ふ神無月 荻布貢

 神無月電車帰心の灯を詰めて 北川孝子

 古民家の日差しやはらぎ神無月  加藤静江

 カルボナー