ちらちらと雪蛍舞う宵の蒼


 
 街路樹は青き電飾十二月 服部珠子

 十二月村に小さな美術館 小林共代

 サルビア赤しまだまだ赤く十二月 たかはしすなお

 十二月八日の記憶冬の雷 中川源北

 十二月空堀に石投げてみる  森祐司

 十二月半ば紅葉の美しく  アロマ

 三色の菜箸を買ふ十二月 野村昌代

 朝市に縦の木売られ十二月  石井美智子

 晴天の師走高温布団干す  アロマ

 野をゆくに即かず離れず雪螢 藤原明美

 湧水や竹の藪より雪蛍 小林螢二

 雪蛍宙の夕べを指先に 丸山冬鳳

 雪蛍ふわりと舞って門の