ぼろ市の始まりなんと「楽市・楽座」



 街の色変りかはりて年の暮   稲畑廣太郎

 追伸のやうな雲ゆく年の暮   高橋ちよ

 雑踏の一人となりて年の暮  丁野弘

 ボイジャーに積みたい句あり年の暮  佐田昭子

 年の暮フランス鍋の奉仕品  山口ひろよ

 手作の蒟蒻とどく年の暮 多田容子

 かばかりの用に手間どる年の暮  中島昌子

 乾物屋のはだか電球年の暮  渡辺絹代

 草木染暦頂く年の暮 稲畑汀子

 米兵の通ふステーキ年の暮れ 松田和子

 それとなく省略増やし年の暮 森清堯

 年の暮日がな一日ワインかな 稲畑廣太郎