意図を持った「風評」は慎むべき   !

「蕎麦を食べるとあたって死ぬ」なんて1813年(文化10)4月頃から江戸市中にこんな風評が広がった。前年洪水の被害を受けた綿畑で収穫されたそば粉が出回り中毒の原因で風評は広がり、江戸っ子は蕎麦を敬遠するようになる。蕎麦屋の多くが休業を余儀なくされ、奉行所は事態を重く見て、そんなことはないと説得し事態は収束に向かった。

「江戸時代は、浮説、虚説、噂、取沙汰、風評などが渦巻く時代だった」と著書『江戸の風評被害』で歴史家の鈴木浩三氏は言う。だが、現在は深刻でインタ-ネットなるものの登場でその風評はスピ-ド感をもって伝わる。何よりも文字で伝える新聞紙に至っ