春夕焼仄か紅纏いつつ



 【朝は冷え込む】 


 小走りに帰りゆく人寒夕焼  石原健二

 寒夕焼一番星の瞬きて 高橋正江

 目のくらむほどアドリアの寒夕焼 品川鈴子

 寒夕焼琵琶湖に群るる冬鴎  酒井多加子

 スカイツリー全容染めて寒夕焼  河口仁志

 寒夕焼に染まる駅前未来都市 高橋泰子

 もの言はぬ野良の一日や寒夕焼  石原孝人

 春夕焼むらさき色にもも色に 山田六甲

 春夕焼湯屋の煙突つつみけり 影山わこ

 春夕焼うっとり眺め立ち尽くす  アロマ

 春夕焼雑木林の透きとほる   土岐明子