阪神淡路の震災以来、29年が経った。
当時関西に住んでいた私にとっては、今も記憶に生々しく、つい昨日のことのように思うのだが、直後、ぐじゃぐじゃになっていたとしか表現できない神戸、三宮で友人が言ったことを思い出す。
生田神社の前で、彼は、
「こら、生田はん、しっかりせんかい。自分の住まいまで壊されて、どうすんねん!」
と笑ったが、目は笑っていなかった。
そして、ポツリとつぶやいた。
「何でもあり、やったなあ、オレたちの一生」
「こどものときの風水害、戦争、室戸台風、ジェーン台風、そのうえ、この大地震や」
しかし、何でもあ