タオレテ、ノチ、ヤム(斃れて後已む)94歳の想いと暮らし(12)何でもありの一生

 阪神淡路の震災以来、29年が経った。
 当時関西に住んでいた私にとっては、今も記憶に生々しく、つい昨日のことのように思うのだが、直後、ぐじゃぐじゃになっていたとしか表現できない神戸、三宮で友人が言ったことを思い出す。
 生田神社の前で、彼は、
「こら、生田はん、しっかりせんかい。自分の住まいまで壊されて、どうすんねん!」
 と笑ったが、目は笑っていなかった。
 そして、ポツリとつぶやいた。
「何でもあり、やったなあ、オレたちの一生」
「こどものときの風水害、戦争、室戸台風、ジェーン台風、そのうえ、この大地震や」
 
 しかし、何でもあ