生命の誕生と死という対立概念を小説にしたもの

村田喜代子著「新古事記」を読みました。

著者が、北九州市の文学館で、この本について講演をするというので、事前学習として読んでみました。
この人の傾向として、とんでもないものを、強引に結びつけて、ストーリーを作るところがあります。 結果的に、常識では たどり着けない、物凄い結末になって、読者は、唖然とする、ということになるのです。 その傾向が、この小説にも、十分あると思いました。

語り手の女性はアデラ。日本人の遺伝子を、少し受け継いでいます。 祖父がヒコタロウという名前の水夫だったのです。まだ少年だったころ、咸臨丸に乗り組んで、勝海舟、福澤諭