連載:新聞記事

小さな喜び―「数独」のパズルが解けて(1965)

 wakohは今や92歳8か月の老骨だ。1992年、東大を退官するまでは、研究・教育に励んだ。1992年からは、結局16年間も帝京大学文学部教育学科と心理学科にフルタイムの教授として勤めた。だが、ここでは、教育の比重が大きくなっていたのは事実だ。
 退職してわずか1年後に、癌ーそれも上行結腸の進行がんが発覚、2009年には、その大手術を受けた。その時の主治医―がんの手術の名医だったが―からはご家族以外は何時亡くなっても不思議に思われないでしょう、(当時の)男性のほぼ平均寿命なのだから、との厳しいご宣託をいただいたのであった。
 だが、それから何度も検