春暁にほのぼの点る灯りかな



 春暁の霧由布岳の麓巻く  和田敏子

 一人入り春暁の温泉ゆをあふれしむ  松崎鉄之介

 春暁やすでに煮炊きの音と香と  鷹羽狩行

 春暁の都心地下より動き出す 稲畑廣太郎

 春暁の細き月見て旅立ちぬ   稲畑汀子

 春暁の出船を追ひて鴎発つ  大橋伊佐子

 柔らかな春暁に一呼吸して  アロマ

 漁に出る気配春暁旅まくら   鎌田慶子

 春暁の出船を追ひて鴎発つ   大橋伊佐子

 春暁やかがみのやうな汀道   海村禮子

 春暁の朝餉熱き白粥を  アロマ

 春暁や新車満載疾走す 加藤みき

 長き長き春暁の貨車なつかしき