旧作エッセイ「かみなり親父」

平成09年(1997年)、在阪中に始めた通信随筆講座の第4作です。成績がつけられて”優上”を頂きました。
 原文(縦書を訂正)のまま掲載します。
 我ながら進歩が無いなぁ。

     
   「かみなり親父」 (CZ-番号 未設定) 

 怖い親父だった。明治26年生まれだから存命なら100歳以上になる。新潟の片田舎で、代々小さな造り酒屋の末っ子で、平家の血筋を引いている、と言うのが自慢だった。

 無類の酒好きで、特に清酒をこよなく愛した。酒にはうるさかったが、いったん飲み始めると、いくら手の込んだ料理を用意してもサッパリ食べてくれない。

 十代で